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プーリーシステムでのロープ起点の結び方3種類(エイトノット、ナインノット、ダブルオーバーハンドノット)

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プーリーシステムの起点

地道にロングラインに使う情報を追加していきます。

プーリーシステムのロープの起点はプーリーに直接結ぶか、シャックル、クリックリンクにループを作って結びつけます。結び方はエイトノットが使われることがほとんどですが、それでだけではつまらないので今回3種類紹介します。

プーリーシステムのベケットと呼ばれる部分は通常は直接ロープを当てることは角がありロープが傷むので推奨されません。しかし、一部のプーリー、例えばスラックラインブラザーズやロックエキゾチカのオム二ブロックはエッジが優しいので結べます。

エイトノット

定番の結び方。
この結びの利点は慣れれば間違いなく確実に結べることと、見た目で正しく結べているか判断しやすいこと。

結びめは大きくテンションがかかると固くて解きにくいいですが、それは逆に安心感があるともいえます。定番の結び方なのでおすすめ度MAXです。解きにくいとは言っても、結び目が大きい分つぶれて圧着するようなことは無いので、確実に解くことが可能です。

※スラックラインのメインラインにかかるようなテンションをダイレクトにロープの結びめにかけると、圧力でくっついて解けなくなります。それはつまり切れる寸前であり、解けないので切るしかありません。それくらいスラックラインのテンションは強い。

直接ループにする場合と、まずコブを作ってそれに添って通してロープにするやり方があります。
どちらも基本ですし、とりあえずこれで結べば対応範囲が広いので覚えましょう。ハーネスに結ぶ際やバックアップでどこかに結ぶ場合にも使えます。

ハーネスやプーリーに直接結ぶ場合

ループを作ってカラビナ等にかけるのではなく、何かに通してループを作る場合はまず一重で結ぶ目を作ってそれに合わせて通します。手間ですが、理屈は簡単です。

ナインノット

ナインノットはエイトノットに半捻りを加えた結び方です。
レスキューやケイビング、SRT(シングルロープテクニック)などでエイトノットの代わりに使われるケースが増えているそうです。

なぜこの結び方が評価されているかというと、テンションがかかっても解けやすいから。
ま、解けやすいといってもすぐには解けません。正しく言えばガチガチに固まることが少ない。
エイトノットと同じ感じなんですが、ロープを通す時に裏側から通します。

自分のお気に入りの結び方。気にいっていますが、人に勧めるほどでもないです。お好きな方はどうぞ。

正しく結べば結び目は綺麗に整います。
カラビナなどに掛ける場合は使えますが、プーリーやハーネスに直接結ぶ場合などはエイトノットより通すのが難しい(通常は大人しくエイトノットを使う)ので適しません。

ハンドアッセンダーがない場合に、腰を入れて両手でガッツリ引きたい時にも使えます。エイトノットももちろん使えます。

ダブルオーバーハンドノット

オーバーハンドノット
↑末端はもう少し長くしましょう。

ダブルオーバーハンドノットはバランスコミュニティで紹介されていた結び方です。

この結び方の利点はコンパクトでロープの長さのロスが少ない、ループを作らずに直接プーリーに結ぶ場合に適しているということです。

結び目を動かして調整可能なので強度も比較的優れていますが、わずかにエイトノットより劣ります。

コンパクトなのでSRTなどで使うカウズテイルでも良く使われています。下に輪っかがついている片手でオープンできるカラビナににも使われます。このような自己確保で使われるという事は信頼性も高いという事なので、リギングの起点でで使うのもアリでしょう。

結びめはコンパクトなので末端を十分に出すことが必要となります。テンションをかけた状態で最低でもロープの直径の5倍~10倍は残っているかどうかチェックしてください。

このダブルオーバーハンドノットは間違いやすい結び方です。表側は二列綺麗にロープが並び、裏側はXになるように。

ダブルオーバーハンドノットは固め止め結びと混同されている場合があります。
この原因は古い本で固め止め結び=ダブルオーバーハンドと紹介されていたから。止め結びがオーバーハンドノットなのでダブルなら固め止め結びだろうという理屈ですが違います。
ロープ同士を結ぶダブルフィッシャーマンズノット(二重テグス結び)でも使われる結び方です。


BC Classic Longline Kit Setup Instructions – YouTube


ロープの末端

結び目はルーズにせずに締めてしてください。

ルーズにしているとプーリーシステムを引き始めてテンションをかけると見る見るうちに末端が短くなる可能性があります。とくにダブルオーバーハンドノット。

あまり長く末端をとるのもみっともないので、うまく調整する。もしくはオーバーハンドノットやダブルオーバーハンドノットでさらに結び目を作ればより安心。

強度低下

ロープというのは結び目があると強度が低下します。だから前もってカラビナ等をかけるアイという部分が作られたロープもある。

結び目でどの程度低下するかというと、例えば破断強度20KNのロープの場合はエイトノットで-30%となり14kNの強度となります。

ロングラインのリギングの場合、プーリー効果で負荷は軽減されるのでブレーキの適合範囲を守りつつ、傷んでいないロープなら神経質になる必要はありません。5:1システムならメインラインの1/5の負荷しかかかかりませんから。ただし、ロープはスタティック、セミスタティック、細い場合はアクセサリーロープである必要があります。

クライミングで使われるダイナミックロープはテンションかけ続けることはやっていけません。強度を犠牲にして特殊な性質を持たせたロープですので、プーリーシステムでのリギングには向きません。
まさに、なんてバカな使い方なんだ!

ダイナミックの場合は伸びるから径が細くなりブレーキの適合範囲を外れる可能性もあります。細くなれば傷みやすくなり、シースやコアが深刻なダメージを受ける可能性があります。アセンダーでもブレーキでも傷みます。オーマイガー。

強度低下目安

エイトノット -30%~―25%
ナインノット -30%~-25%
ダブルオーバーハンドノット -35%~―30%

あくまで切れる限界であり、それより前の段階で結び目自体は圧着して解けななります。古いロープだといきなり切れることも予想できます。

ここで問題となるのはロングラインで張った場合にロープが一番ダメージを受けるのは何処か?という事です。
いきなり答えを言うとブレーキ箇所なので、起点の結びめよりブレーキ箇所でシース(外皮)が裂け始めることが予想されます。

なので現実的にはブレーキ箇所をチェックした方が良い。例えばテンションを解除した後にブレーキ部分にあったロープが傷んでないか?

3種のうちおすすめは?

万人にお勧めなのはエイトノット。

ロープの長さを少しでも確保したい場合や、直接結びたい場合、限界までプーリー区間を締めこんでいきたい場合、見た目をコンパクトにしたい場合はダブルオーバーハンドノット。こう書くと結構利点が多い。

趣味やこだわり、気分転換でナインノット。
お好きにどうぞ。

動画や本で勉強するのも一興ですね。

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エーデルワイス (フランス)とは 1790年。日本ではまだ麻や綿などが繊維の主流として出回っていた時代。 すでにこの時よりロープメーカーとしてTeufelber...

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販売店:ギーク

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